はじめての、悪女。〜鼻水を垂らしながら〜

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    「ハツカネズミと人間」ご来場いただき、ありがとうございました。
    カーリーの妻役、遠藤みかです。

     

    マエカブ

     

    私にとって初めてづくしのこの役。
    セクシー系をやるのも初だし、殺されるのも、悪役(的な)も初めて。
    物凄く濃いメイクをしていたので、二人がかりで塗り塗りされていました。わたしはもう、されるがまま「まめさん、ゴリラ!」と言われたら鼻の下を伸ばし、「まめさん、大仏!」と言われたら手の平を胸の前で上向きに掲げて、メイク道具置き場を提供したり、「セクシーさを兼ね備えて!」と言われたら小指をピンと立ててみたり(セクシーか?)。

    しかも花粉のせいなのか絶え間なく鼻水が流れ落ちるので、あの衣装、あのメイクのまま鼻にティッシュ突っ込んでました。舞台に立っていないときは大抵鼻にティッシュ。本当に舞台に出る直前まで鼻ティッシュでした。音響卓にも舞台裏にも私専用のちょっといいティッシュを設置していたりして。この時期の舞台はこれが辛いね! ほんと、舞台上で流れ落ちなくてよかったです。

     

    あ、役の名前ですが妻は原作でも「カーリーの妻」としか表記されていなくて、名前がないらしいです。妻とキャンディーの殺された犬だけなんですって。名前が出ていないキャラクターの共通点は、どちらも殺されるほどの理由もなく殺されちゃうっていうところ…なんて、なんだか切ないですね。

     

    物語がクライマックスへ向かう大事なシーン(妻の死)ですが、しばらく妻は死体のまま放置されているので、農場の人たちの色んな会話が頭上から聞こえてきました。

     

    これはあくまで私(妻)個人のとらえ方ですが、人が1人殺されているっていうのに、誰一人その死を悲しんでいる人はいないなあと思いました。夫のカーリーでさえ、本当に悲しんでいるのかどうか分かったもんじゃない。1人寂しく死んでいる妻を放置してレニーを捕まえに行ってしまうし。もちろんそれがカーリーにとっての愛情表現だったのかもしれないけど、妻としてはその場に残ってほしかったなぁ、なんて。

     

    妻は、寂しい女なのです。


    体を使わなければ人に振り向いてもらえないと思っているし、本当の愛ってやつを知らない。自分を1人の人間として対等に接してくれる話し相手を求めているけど、そのくせ、自分より格下の相手は見下すし、小悪魔的な技で翻弄しようともする。そしてようやく楽しくお喋りできる相手をみつけたと思ったら、殺されてしまう。寂しい、哀れな女です。

    でも、そうして生きてこなければいけなかった理由が彼女にもちゃんとあって、そこを理解しようともせず、妻の表面だけをみていた農場の人々の接し方も、あの悲劇的な結末を迎えてしまった理由の1つではないかと思います。

     

    悲劇的、と書いてしまいましたが、バッドエンドだったのか、ハッピーエンドだったのかは本人たちにしか分からないですよね。レニーはジョージに殺されてしまったけど、幸せな夢の中で大好きなジョージの手にかけられたのは、レニーにとって幸せな結末だったのかも。そればかりは、レニーに聞いてみないと答えは分からないですね。ジョージも友達を手にかけてしまったけど、その後の彼の人生がハッピーなのかバッドなのかは分からない。失意のまま自分にも銃口を向けちゃうかもしれないし、キャンディやクルックスを連れて自分たちの土地を手に入れたかもしれないし。そのどちらが幸せなのかすら、本人以外には分かりようがありません。
    いろんな感情が交じり合って濁ったものが心にドスンと残る、そんな終わり方だったと、私は思います。


    さて。話は変わって、私と言えばおなじみの宣伝美術にも携わっていました。

     

    今回は与力画伯と一緒にフライヤー、チケット、パンフレットを作りました。
    なんとなく「手書き」とか「手作り」とかの雰囲気を出したくて、フライヤーは画伯のイラストをメインとしたスケッチブック風。パンフは全て手書きの原稿を印刷したうえで、1枚1枚紅茶染めにした世界に1枚だけのパンフレットとなりました(注:本当は冊子になっていないとパンフレットとは呼べないのですが、便宜上そう呼んでいます)。
    稽古の合間に、手まで紅茶で染めながら私と与力、そしてふーみん福家の力も借りながら、なんとか全て完成。思い描いたとおりの温かい雰囲気に仕上がって一安心です。

     

    あと会場内にペタペタ貼っていた落書きも与力と一緒に描いていました。
    私のお気に入りは、スリムが大麦とカボチャの袋が見分けられない班員のために書いた「見分ける方法」と、カールソンが街で見かけたルーガー拳銃に想いを馳せて描いた(と思われる)イラスト。cool www

     

    マエカブ

    マエカブ


    そして私たちがこれを描いている間、キャンディ役のはっちんは、床の掃除をしてくれていました。さすが農場でも掃除を任されているキャンディ! あ、でも掃除はカーリーの谷口も手伝っていました。床を磨くカーリーw

     

    さてと、さてさてと。お次はマエカブ本公演「歌舞伎門事変(かぶきもんじへん)」です。
    ハツカネズミと人間とは全くテイストの違う、派手で賑やかな舞台になると思います。
    準備が出来次第、詳細をお伝えさせていただきますので少々お待ちくださいませ。

     

    ではでは!
    遠藤みかでした!


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